2020年12月14日4 分
We are Human too編集長。男でも女でもないXジェンダー。
「性別に拘らないこだわり」というコンセプトをもとにカジュアルにファッションを楽しんでもらうジェンダーフリーブランドRAY RAYを立ち上げる。
僕にとってファッションとは美しさの追求である。
美しさには性別がない、美しさは美しいという言葉だけで完結する。
物心ついた時から性自認が一致していなかった僕は自分らしさの欠如にずっと悩んでいた。
僕がファッションを意識するようになったのは21歳ぐらいのころで、それまでほとんどがユニクロやGUで、着る服のパターンがある程度決まっていた。
オシャレに興味がなかったわけじゃない、今思えばただ自分がどう在りたいのかがわからなかっただけだった。
20代に入ってXジェンダーという言葉に出会ったことがきっかけで男でも女でもないのだと気づき、ありのままでいいんだと思いつつも、社会から見た自分とありのままの自分がかけ離れていることに悩む。
服装だけじゃない、髪型、身長、肌の色、肉付き、体型、声。
ありとあらゆるものを独断と偏見で他人から決めつけられた自分の評価があって、Xジェンダーなんていう概念はLGBTQ当事者の中ですら認知度が低く、受け入れてもらうことは難しかった。
そしてなにより同時に僕自身が客観的に自分を見て中性的だとは思えなかったのが悔しかった。中性的とはなにか、性別を感じさせない見た目とは何か。
全てを一度に変えるのは難しい。まずできることはファッションを変えることだと悟り、それまで着まわしていた服をすべて捨てた。
それからいろんな服屋をめぐって自分らしさにあった服を探し続けていたが、いくつか疑問があった。
一つ目は世の中の服というのはあくまでも男女をベースに作られているということ。当時はやっていたのもあったが男らしさ、女らしさをなくしたユニセックスは基本的にオーバーサイズでぶかぶかしたものばかりだった。
二つ目は異性の服を選ぶことは非常識だということ。「お客様が試着されるのですか?」と何回も聞かれたり、こちらは男性/女性専用更衣室ですと断られたこともある。
三つ目はジェンダーフリーをうたうファッションブランドはほとんどが奇抜で自分の求めている自分らしさと合っていないことだった。
特段ファッションが専門分野ではないが自分にできることはきっとあるはずだと、少しずつ洋服の販売をしてみた。お客さんが性別のくくりを気にすることなく、あくまでサイズを選ぶだけのファッションブランドを立ち上げ、アパレル製造のメッカであるバングラデシュに買付、数々のローカル工場とのコネクションを作り今に至る。
こういう経緯でできたブランドなので、正直服の安い高いで買ってもらうことよりも、コンセプトに共感して買ってもらうという意識の方が高く、そのためにはもっと自分らしく生きることを発信する必要があると思っていた。
視覚的だけじゃない、そのファッションを選ぶ本質を発信したかった。
そこで出来上がったのが「We Are Human Too」だ。
自分が好むファッションやおしゃれが見えるようになってから気づいたことがある。
美しさの追求はどこからやってきたのかということだ。
昔からずっと無地のものが好きでシルエット重視で洋服を買うことが多い。
ストリートファッションですら細身を選ぶしスキニーと合わせて着る。ビッグシルエットのようなダボっとしたものも好きだが、身長が176cmあって体型が細いのでバランスが悪く見えるため、丈は長くとも身幅のあるものはあまり着ないようにしている。
ハイウエストのズボンが好きで相性が良い。トップスをタックインして着るのが好み。
あえて分類するとすれば綺麗目系ファッションだろう。
「綺麗」に魅せること、これは昔から僕の本質にあった。
民族衣装を着ることもたまにある。パンジャビ、チャイナ服、着物はがお気に入り。
中国の漢時代に皇族が着ていた漢服なんかもオシャレで丈の長い民族衣装は性別を感じさせず、色んな人が楽しめるのではないかと思っている。
民族衣装は不思議とその人の美しさを引き出す魔法を秘めている。
オシャレが好きな人がいつも輝いて見えるのって、好きな格好しているからで、好きな格好をしてオシャレを楽しむことって自己満足の精神で僕はそれでいいと思う。
著者:れいれい